2024.11.21
コラム
医療従事者向け 11月コラム「嚥下ってどう診てる?嚥下評価フローチャートの導入」
高齢者にやさしい食事・生活を。
ファインの介護・医療食品のオフィシャルサイト
Information / Column
2023.06.16
東京医科大学病院
栄養管理科科長
宮澤 靖
私がこの20年間、常に管理栄養士の育成に携わる中でよく伝えているのは、
「ワークバランスを意識しましょう」ということである。
食事を作る病院給食管理の業務も、病棟で臨床栄養管理に携わる業務も同じくらい大事で、今は両者の業務に重複している部分があり、管理栄養士の専門性を十分に発揮しきれていない管理栄養士が散見される。
日本において長い期間、病院管理栄養士の業務は「おいしい食事の献立・調理・提供」であり臨床面では「病棟訪問型」での対応が今でも主流となっている。しかし、これから望ましい形としては「病棟配属型」であり(図)一人の管理栄養士が2大業務を兼務することで、それぞれが兼ね備えているパフォーマンスが分割されてしまい、両業務が十分な体制をとれない状況にあるのではないかと思う。
また、診療報酬制度にも目に向けてもらいたい。管理栄養士に対する診療報酬は他職種と違い「管理料」がないことであり、管理栄養士は「患者とコンタクトすることでの課金」になっている。したがって厨房での業務に対しては課金が無いので、医療経済的には損失が生じてしまう。管理栄養士に対する院内からのニーズ、そして社会的なニーズの高まりを感じ、また収支の面においても、厨房に管理栄養士の人員が割かれやすい現状では、他職種に比して病院収入への貢献度は低いと言わざるを得ない。このままでは結局、新たな人材を登用できず、さらなるマンパワー不足に陥り、病棟へ向かうべき管理栄養士が足りないという負の連鎖が続いていくだけである。院内唯一の栄養専門職として臨床栄養管理に携われる管理栄養士とフードサービスに従事する管理栄養士の価値観を急ピッチで変えていくことが必要であると思われる。
現在、世界情勢の不安定から食材費の高騰が続いており、入院時食事療養費も25年間据え置きの状況である。しかしながら、臨床に対する診療報酬は手厚くなってきているので、収支バランスを再考して、意識変革を断行して組織内文化を変革する必要があると思われる。そして、管理栄養士が取り組むべき業務を明確にして、効果的かつ効率的に活躍できる環境を調整する必要がある。そうすれば、厨房業務としておいしく、治療効果が高い食事を提供しながら、臨床栄養の面でも貢献できるような理想に近づけるのではないかと考える。
会員登録いただきますと、会員限定のコンテンツをご利用いただけます。
医療従事者の方の日々の業務にご活用いただけるコンテンツを掲載し、随時更新してまいります。
ぜひ、ご登録ください。(登録料は無料です)
Product
とろみ調整食品
飲み込みに不安のある方へ。食品の風味を損なわずおいしく召し上がっていただけます。 時間・温度に関わらず安定的な使いやすいとろみ調整食品です。
固形化補助食品
食材をミキサーにかけてプリン状やムース状の召し上がりやすい形態に。主食部分については粉末をお湯で溶かすだけでできる簡便な製品もあります。
嚥下サポート食品
食材を柔らかくするだけでも召し上がれる幅がひろがります。献立に使用する肉や魚、野菜を漬け込んで食材を柔らかく。
栄養補助食品
たんぱくやエネルギー、食物繊維、ビタミン、ミネラル等、不足が気になる栄養素を喫食量を上げず底上げできます。
水分補給食品
年間を通じて水分を補給する為に優しい風味をつけました。お好みに合わせて風味や特徴から選べます。