東京医科大学病院　
栄養管理科 科長 宮澤 靖

2022年に行われた診療報酬改定では、電子的保健医療情報活用加算（現在の医療情報・システム基盤整備体制充実加算）の新設などがありました。2024年の診療報酬改定は、医療だけでなく、介護・障害福祉サービスも含めた6年に一度のトリプル改定とあり、さらに注目を集めています。ここでは、2024年の診療報酬改定に向けて押さえておくべきポイントを中心に説明してまいります。

診療報酬改定の基本認識

診療報酬改定の基本認識は以下の通りです。物価高騰や賃金上昇、経営状況、人材確保の必要性、患者負担や保険料負担の影響を考慮した対応が求められます。さらに、全世代型社会保障の実現や医療・介護・障害福祉サービスの連携強化、新興感染症への対応など、医療に関わる課題に対処する必要があります。医療DXやイノベーションの推進により、質の高い医療を実現することが目指されます。また、社会保障制度の安定性と持続可能性を確保し、経済や財政との調和を図ることも重要です。

各項目の具体的方向性

1.雇用情勢も踏まえた人材の確保・働き方改革等の推進

高齢化等の背景から医療需要が増加している一方で、医療分野における人材確保が足りておらず、将来においても、人口構造の変化に伴う支え手不足が懸念されています。こうした情勢より、医療従事者の人材確保のための取り組みは急いで行う必要があるといえるでしょう。医療の質と安全性を担保するためにも、医師等が健康的に働き続けることのできる環境を…

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