東京医科大学病院　
栄養管理科 久保 麻友子

ミールラウンドとは、患者さんが実際に食事をしている場面を観察して、摂食嚥下状況を見て回ることです。令和4年度診療報酬改定で新設された「入院栄養管理体制加算」の算定要件に「当該病棟に入院している患者に対して、栄養状態に関する定期的な評価、必要に応じたミールラウンド、栄養食事指導又は当該患者の病態等に応じた食事内容の調整等の栄養管理を行う。」と明記されています。施設や診療科の特性、術後の機能変化などで観察ポイントは様々ですが、患者さんの口唇の動きや口腔内の観察には食事の時間が有効です。私は嚥下調整食など形態調整食を食べる患者さんや、長期絶食後の食事開始時や食上げのタイミング、酸素療法中の患者さんを優先的にラウンドします。ミールラウンドは“栄養管理の実践スピード”が試される場面かもしれません。

1. 食事姿勢は適正か（傾いていないか、座位は安定しているか）
2. むせたり、食べこぼしていないか（食形態や食具は適正か）
3. 咀嚼はできているか（傾眠はないか、義歯は適正か）

これらを観察・評価して、次の食事に間に合うよう食事内容を調整します。加えて患者さんの表情も重要な観察ポイントです。配膳された食事を怪訝な表情で眺めていたらどうでしょうか？

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