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7月コラム「憧れの聴診器」

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7月コラム「憧れの聴診器」

海老名総合病院 栄養科 森田桃子

新卒の頃に参加した勉強会で、「栄養アセスメントに腹部聴診を取り入れている」という話を聴き、胸が高鳴ったのを覚えています。「私もやってみたい!」そう思いましたが、当時の私の周りには栄養管理の目的で聴診器を使う管理栄養士はいませんでした。病棟では医師や看護師が当たり前に聴診器を使用していましたが、「管理栄養士の私が勝手に始めていいのだろうか」「他職種から変な目で見られないだろうか」と躊躇し、結局一歩を踏み出せないまま年月が過ぎていきました。

その後、管理栄養士が病棟に常駐する現在の病院へ転職。そこで出会ったプリセプターの先輩に教えてもらいながら初めて患者さんのお腹に触れ、聴診器を使ってアセスメントを行いました。

腸が動く音を耳で捉えた時、深い感動を覚えると同時に、ある「後悔」が押し寄せました。「これは決して、一部の選ばれた人だけの特別な技術ではない。なぜもっと早く、あの頃の職場でやってみなかったのだろう。そうすれば、患者さんの消化管の動きを自分の耳で確認し、より自信を持った栄養提案ができていたはずなのに」と。

少人数や1人職場の環境にいると、「管理栄養士の前例がないから」「教えてくれる人がいないから」と、自分の可能性に自らブレーキをかけてしまいがちです。しかし、フィジカルアセスメントを用いて患者さんの状態をいち早く把握し、適切な栄養管理に繋げることは、これからの時代に求められる管理栄養士の立派な専門性です。

病棟にはあなたを待っている患者さんと、栄養のプロとしての意見を求めている他職種がいます。「やってみたい」と思うフィジカルアセスメントがあるなら、ぜひ、躊躇せずに病棟へ飛び出してください。その一歩が、あなたの、そして患者さんの未来を大きく変えるはずです。