2024.09.26
コラム
医療従事者向け 9月コラム「頭頸部外科・歯科口腔外科病棟の栄養サポート」
高齢者にやさしい食事・生活を。
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Information / Column
2023.06.07
「胃瘻からの食事は栄養剤しか入れてはならない」と思っておられる方はおられませんか? もちろん栄養剤は生きていくために十分な栄養素をほぼ含んでおり、手軽に栄養を注入することができる優れたものです。でも、同じものを毎食、毎日摂取するのは、なんとなく味気なく感じます。そんなときはミキサー食の注入を始めてみましょう! ミキサー食とは、食事をミキサーにかけたもので、その注入は栄養剤の欠点を補うだけでなく、①家族と同じ献立が食べられる、②自然な食事に近い内容のものが摂取できる、③微量元素や電解質、食物繊維を補えるといった利点もあります。しかし、ミキサー食を胃瘻から注入するには、目詰まりを防止するために、水で薄めて伸ばしてミキサーにかけて、うらごしして、と面倒なステップが多くあります。加えて、水で薄めるため一度に摂取できるカロリーがどうしても少なくなってしまいます。 そこで役に立つのがプリンナール粥です。作り置きしておいたプリンナール粥を「つなぎ」として食事と一緒にミキサーにかけます。すると、水分で薄めなくても、プリンナール粥がつなぎ・潤滑剤の役割をしてくれるので、胃瘻から注入可能なミキサー食ができあがります!この方法で、少しぐらい線維がある食材が入っていても、ほぼ全ての献立を注入することができます。
栄養剤を注入するよりは少し手間がかかりますが、家族と同じものを摂れるのはいいことですよね。「同じものを摂っている」というのがコミュニケーションにも繋がり、精神的にも満たされると考えられます。また、毎食ごとに同じ成分の栄養剤を同じスピードで注入するのは、身体にとって刺激が少ないかもしれません。口からいろいろなものを食べると、献立によっては血糖値がゆっくり上がったり早く上がったり、消化に時間がかかったりかからなかったり、消化・吸収に必要なホルモンが多く出たり出なかったり、いい意味でのストレスがかかっていると考えられます。ミキサー食を注入することで、身体もそういった変化を味わえるようになります。
ミキサー食を始めたご家族からは「便秘が減った」、「表情が豊かになった」、「活動性が上がった」といろいろな話を聞きます。科学的には十分な証明はなされていませんが、身体的にも精神的にもプラスの作用があるようです。
※ミキサー食を始める時は、念のため主治医の先生に確認を取ってからにしましょう。食事内容に制限があるときは主治医の先生に相談してからにして下さい。
大阪大学歯学部附属病院
顎口腔機能治療部
野原幹司先生
Product
とろみ調整食品
飲み込みに不安のある方へ。食品の風味を損なわずおいしく召し上がっていただけます。 時間・温度に関わらず安定的な使いやすいとろみ調整食品です。
固形化補助食品
食材をミキサーにかけてプリン状やムース状の召し上がりやすい形態に。主食部分については粉末をお湯で溶かすだけでできる簡便な製品もあります。
嚥下サポート食品
食材を柔らかくするだけでも召し上がれる幅がひろがります。献立に使用する肉や魚、野菜を漬け込んで食材を柔らかく。
栄養補助食品
たんぱくやエネルギー、食物繊維、ビタミン、ミネラル等、不足が気になる栄養素を喫食量を上げず底上げできます。
水分補給食品
年間を通じて水分を補給する為に優しい風味をつけました。お好みに合わせて風味や特徴から選べます。